心臓病の役割と疾患
仙台で循環器内科をお探しの方は当院へ
心臓は全身に血液を循環させる臓器です。心筋とよばれる筋肉でできている心臓は、全身に血液を送りだすためにポンプのような役目を果たしています。その働きは休むことなく、1日に約10万回、規則正しいリズムで拍動を繰り返します。この機能がうまく働かなくなってしまうと、血液の循環が滞り、心臓が十分な血液を送り出すことができません。
心臓のポンプ機能が正常に稼働するには、酸素や栄養素が必要不可欠です。その働きを担うのが冠動脈という血管です。心臓を取り巻くように張り巡らされている3本の血管から成り立ちます。冠動脈を通して血液を心筋に運び、栄養供給するためのながれを「冠循環」といいます。
心臓や血管に何らかの障害が生まれてしまうと、全身に血液を循環させることが困難となります。それによって、息切れや胸痛、動悸などの症状が出るほか、時に命の危険に及ぶ病気に進展することも少なくありません。
循環器内科を専門とするとする当院では、このように心臓や血管に関わる疾患を診断し、さまざまな検査を実施して病気の早期発見・早期治療を目指します。仙台で循環器内科をお探しの方は当院へご相談ください。
心不全とは
心臓の機能が低下する病態
心不全は病名ではなく、さまざまな要因によって心臓本来の機能が低下してしまう病態を指します。高齢化に伴い、日本では心不全の患者さんが増加傾向にあります。
徐々に心臓の機能が低下してくるものを慢性心不全といい、急激に機能が低下するものを急性心不全といいます。重症化すると、ときに命の危険を伴うこともあります。
心不全の症状
- 呼吸器困難
- 息切れ、疲労感
- 意識障害
- むくみ
など
心不全の原因
心不全につながる病気の代表格が高血圧です。血圧の高い状態が続くと心臓への負担は大きくなり、心不全のリスクが高まります。
そのほかにも、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)や弁膜症、心筋症などが心不全に陥る要因としてあげられます。
心不全の治療方法
まず心不全のリスクファクターを明らかにして、病気そのものの治療を適切に行うことが大切です。
そして、生活習慣の管理と薬物治療によって、症状の緩和を優先的に実施していきます。
循環器に「在宅医療」という選択肢を
当院では、地域医療を担う多くの事業所と連携しながら、在宅医療(訪問診療)にも力を入れています。心不全などの循環器疾患を中心に、多職種での介入を積極的に展開しております。
大切な家族の誰かが病気になり、通院できなくなってしまった場合、ご本人はもちろん、ご家族までにご負担がかかってしまうことも少なくありません。医療機関ではなく、ご自宅などで同等の医療サービスが受けられるのが「在宅医療」のメリットです。
仙台で在宅医療のご利用を希望される方は、当院へご相談ください。
さまざまな心疾患
虚血性心疾患
心臓は筋肉で作られており、その動きを維持するために、絶えず酸素と栄養が供給されています。その重要な役割を担うのが、冠動脈とよばれる血管です。心臓は他の臓器とは異なり、自らの血液供給はこの冠動脈から直接受け取ります。
人間の心臓には2つの冠動脈があり、心臓の主要な血管である大動脈から枝分かれし、さらに細かい枝に分かれて心筋に血液を供給します。
虚血性心疾患は、これらの血管が狭くなったり、閉塞を起こしたりする病態です。主な原因は動脈硬化で、動脈が硬くなってしまうことで起こることが多いです。
狭心症と心筋梗塞
冠動脈の狭窄によって一時的に血液が行き届かなくなった状態を、狭心症といいます。
また血液が途絶えてしまい、酸素不足によって心筋が壊死してしまう病気を心筋梗塞といいます。突然発症し激しい痛みを伴い、生命に関わる病気です。
動脈硬化の危険因子
虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)の原因となる動脈硬化の危険因子には、
- 飲酒や運動不足
- 高血圧
- 糖尿病
- 肥満(脂質異常症)
- ストレス
などがあります。
病気を未然に防ぐためには、まずは生活習慣を見直し改善を図り、これらの危険因子を避けて予防することがとても重要です。
弁膜症
心臓には僧帽弁、三尖弁、大動脈弁、肺動脈弁の4つの弁があります。これら4つの弁には血液の流れをコントロールし、血液の逆流を防ぐ役割あります。
弁膜症は、弁に何らかの障害が起こり、本来の働きができなくなった状態をいいます。近年、加齢に伴う弁膜症が増加傾向にあります。
弁の障害には、狭窄と閉鎖の2つのタイプがあります。弁がきちんと開かないことで血液の流れが妨げられてしまう状態を狭窄といいます。一方、弁が完全に閉じないために血液が逆流する状態を閉鎖不全といいます。
弁膜症の症状
- 息切れ
- 胸の圧迫感や痛み
- 疲労感
- ふらつき、めまい
- 失神
など
軽症の場合はほとんど症状を感じませんが、放置すると心不全を引き起こすリスクがあるため、早期発見、早期治療が重要です。
弁膜症の原因となる病気
- 動脈硬化
- リウマチの後遺症
- 心筋梗塞
など
先天性心疾患
先天性疾患とは、生まれつきの病気という意味です。なかでも心臓や血管の病気は100人に1人の割合で起こると言われており、決して珍しい病気ではありません。
近年の医療技術の進歩によって、たとえ生まれつきの病気を抱えていても、約90%程度の方は成人を迎えられるようになっています。
原因は特定できないケースも多く、いくつかの要因が重なって起こることも少なくありません。また、成長の過程で自然治癒するものから、手術を要するものまでさまざまな病態があります。
心室中隔欠損症
先天性心疾患のなかでも比較的多い病気としてあげられるのが、心室中隔欠損症です。
この病気は名の通り、心室中隔という部分に穴が空き、その欠損したところから血液が流れ込んでしまうという障害があります。この穴(欠損孔)が小さければ自然に閉鎖し、予後も良好であることが多いです。
一方で、中欠損〜大欠損の場合では、疲労感や息切れ、多呼吸や哺乳困難もみられ、予後は呼吸器感染や心不全などが懸念されます。
循環器疾患とワーファリン
ワーファリンとは
血栓の形成を防ぐ治療薬
ワーファリン(ワルファイン)は、血液を固まりにくくするためのお薬です。
血管の内壁が損傷したり、血液の凝固バランスが崩れたりすると、血液中の凝固因子が集まって血の塊が作られます。これを血栓といいます。
この血栓が血管内に詰まると、血液の流れが阻害されるため、重篤な合併症を引き起こす可能性があります。例えば、心筋梗塞や脳梗塞などがその代表的な疾患です。そのため、血栓には非常に注意が必要であり、予防や治療がとても重要です。
血液を固めるために重要な働きをしている成分の1つが「ビタミンK」という物質です。ビタミンKは「脂溶性ビタミン」の一種で、出血時に血液を凝固させて止血する役割を担います。また、骨の健康維持にも関わっています。
ワーファリンはこのビタミンKの働きを抑えて、血管内で血液が固まるのを防ぎます。
ワーファリンの副作用
ワーファリン服用中は血液が止まりにくくなるため、出血リスクが高まります。
- 鼻血
- 歯ぐきからの出血
- 皮膚の内出血
- 外傷の傷口からの出血
- 月経過多
- 血痰
- 血尿や血便
- 貧血症状(立ちくらみやふらつき)
など
ワーファリンの服用中は、定期的に薬の効果を確認しながら、出血リスクが増すことを防ぐために服用量を管理します。
ワーファリン服用の注意事項
服用の仕方
ワーファリンは個人差があり、効果や服用量は人によって異なります。
血液検査に基づいて最適な量が決められるため、指示された錠数を正確に服用してください。
食物との相互作用
ワーファリンはビタミンKの作用を抑制するため、ビタミンKを多く含む食品との摂取制限が必要です。
納豆、クロレラ、青汁などはビタミンKが多く含まれているため避けてください。
また、パセリ、ほうれん草、ブロッコリーなどの緑色野菜もビタミンKが比較的に多く含まれています。
適度な量の摂取は問題ありませんが、一度に大量に摂取しないようにしてください。
他の薬との相互作用
他の薬との相互作用により、ワーファリンの効果が増強または低下する可能性があります。
他の医師の診察や薬局での薬の購入、手術や歯の抜歯などの際には、ワーファリンを飲んでいることを必ず伝えるようにしてください。
ケガに注意
たとえ適切な服用量でも、体調によっては出血リスクが高まることがありますので、普段の生活で出血が起こらないように心がけることが大切です。
具体的には、打撲や外傷をしやすい運動などを避けたり、慎重に行うことが重要です。また、些細なことでも傷ができると止血が難しくなるため、鼻を強くかんだり、歯ブラシやひげそり(特に剃刀)の使用時も注意深く行うようにしましょう。
血栓ができやすい循環器疾患
心不全は心臓のポンプ機能が低下しているため、血液の流れが悪くなります。
そのため、血栓ができやすい状態にあります。また、心房細動のような不整脈、高血圧でも血栓はできやすいため適切な治療と管理が不可欠です。
そのほか、注意が必要な病気
脂質異常症(高脂血症)、糖尿病などの病気は血管の健康に大きな影響を及ぼします。そのため、血栓形成のリスクが高まります。これらの病気の予防と管理は、血栓の予防においても重要な役割を果たします。
生活習慣の改善、適切な治療、定期的な健康チェックなどを通じて、血管の健康を維持することが重要です。